<耐震診断>受診の病院は14%だけ 厚労省が費用補助へ
全国の病院のうち、震度6程度で崩れない耐震基準に従って病棟などすべての建物を建設した病院は3分の1しかなく、耐震診断を受けたことがある病院も1割強にとどまることが、厚生労働省の実態調査で分かった。厚労省は06年度から民間病院に耐震診断費用を補助する制度を創設するなど、災害時の医療拠点となる病院の耐震化促進に本格的に取り組む方針だ。
調査は新潟県中越地震(04年10月)で医療機関の被害が大きかったことを受け、実施。全国すべての病院9064施設(05年1月現在)を対象に、05年2〜3月に調査票を郵送し、回答率は75.5%だった。
81年に改正された建築基準法では、震度6程度の揺れでも崩れない強度が求められている。しかし調査の結果、すべての建物が基準に従い建設された病院は36.4%(2494施設)だけ。一部の建物が基準に従って建てられた病院は36.3%(2482施設)、全くないのが17.7%(1209施設)で、残りは不明か無回答だった。
一方、耐震診断を受けた病院は全体の14.3%(976施設)。このうち64.8%(632施設)が耐震補強の必要があると診断されたが、実際に補強し、完了したのは26.3%(166施設)にとどまった。完了していない病院の約3割は「費用調達が困難」と理由を説明している。
同省は05年度補正予算で、災害拠点病院の耐震化整備事業に約11億円を計上。06年度当初予算では、耐震診断費用の3分の2を国と都道府県が負担する補助事業(約1億3000万円)など、医療施設の耐震化促進に計約19億円を確保した。同省医政局指導課は「耐震化の遅れが深刻なことが分かった。病院や都道府県などに、補助事業の積極的な活用を促したい」としている。
1月30日 毎日新聞
